人を幸せにする仕事から、企業の課題を解決する仕事へ。
「ウェディングプランナーからWebディレクターへ」
一見すると、まったく違う仕事のように感じるかもしれません。
しかし話を聞くと、意外な? 納得するような? そんな共通点も…?!
今回は、ウェディング業界からアプリコットデザインへ転職したディレクターの小林さんに話を聞いてみました。
人生の節目を支える仕事から、企業の課題を解決する仕事へ。
異業種への転職を決めた理由や、前職での経験が現在の仕事にどう活きているのかを伺います。
(インタビュー:アプリコットデザイン情報発信部)

アプリコットデザイン ディレクター。ウェディング業界で約10年間、レストランサービスや宴会運営、結婚式当日の進行を担うキャプテン業務などを経験。その後、婚礼サービス部門のマネージャー、ウェディングプランナーとしてキャリアを積み、現在はWeb制作のディレクターとして活躍している。
── なぜ、ウェディング業界からデザイン会社へ転職しようと思ったのでしょうか?
正直に言うと、ウェディング業界からデザイン会社へは直接転職したわけじゃなくて。
子どもが小学校に上がるタイミングで家族で話し合って、「土日休みの仕事にしよう」って決めたのが最初のきっかけです。
ウェディングを辞めた後は、条件だけを見てOA機器販売の外回り営業に就きました。
家族との時間は増えたんだけど、仕事をしながらずっとモヤモヤしてて。
「この仕事、別に私じゃなくてもできるよな」
って感覚がずっとあったんです。
誰がやっても同じ、替えが効く仕事。
ウェディング時代にあった「自分だからこそ」みたいな高揚感が、まったくなかった。
そんな時期に、会社の研修でWeb制作会社を訪問する機会があって。
そこでディレクター・デザイナー・コーダーの仕事を初めて目にして、「これだ」と思ったんです。
特にコーディングを独学で触り始めたら、自分で何かを作り上げていく感覚がものすごくハマって。
「これを仕事にしたい」
って気持ちが一気に加速していったんですよね。
そんな最中にコロナ禍になって、客先に行けない状況が続いて。
もともと感じていた「自分じゃなくてもいい仕事」という感覚がさらに強くなっていきました。
それならもう、自分がやりたいと思えることに飛び込んだほうがいい。
そう思って転職を決意しました。
── そうなのですね。転職前、Web制作会社やディレクターの仕事にはどんなイメージを持っていましたか?
「Web制作会社」というより「デザイン会社」というワードで聞かれると、なんとなく華やかでおしゃれな世界、というイメージがありました。
── たしかに、そういうイメージがあるかもしれませんね(笑)
ところで、ウェディング業界で働いていた頃、一番やりがいを感じていたのはどんな瞬間でしたか?
やっぱり、お客様のリアクションを見る瞬間が一番でした。
何ヶ月もかけて一緒に作り上げた結婚式が当日を迎えて、「最高だった」「ありがとう」って言ってもらえる瞬間。
言葉だけじゃなくて、表情や涙がそのまま返ってくるから、「あ、この仕事やっててよかった」って毎回思えてたんですよね。
あと、お客様の多くは「担当プランナー」って忘れていくものだけど、何年経っても覚えてくれているお客様がいて。
そんなお客様が子どもを連れて、レストランに来て、今でも妻に「小林さん元気ですか?」って言ってくれていて。(※)
なので今でもやりがいを感じています。
※奥様もウェディング業界で勤務
── 結婚式という人生の節目に関わる仕事だからこそ、大切にしていたことはありますか?
お客様が「言葉にできていない想い」をちゃんと拾うことを意識していました。
「こんな式にしたい」って言葉の裏に、本当は何を大切にしているのか。
それを引き出して形にするのがプランナーの役割だと思っていたので、とにかくよく聞いて、よく観察するようにしていました。
── お客様との関わり方で、今でも印象に残っているエピソードはありますか?
打ち合わせを重ねる中で、最初は「自分たちは別に結婚式やりたいと思ってない」とおっしゃっていたお客様が、話を聞いていくうちに「実はこれがやりたかった」という想いを話してくれることがあって。
式を終えた頃には「やっぱりやってよかった!」そういう瞬間が好きでした。
式が終わった後に「小林さんがプランナーで本当に良かった」って言ってもらえたときは、本当に嬉しかったです。
── それは確かに、すごく心に残る言葉で、印象に残るエピソードですね。
小林さんは、デザイン会社へ転職してから、仕事のやりがいはどのように変わりましたか?
やりがいの種類が少し変わった感じはあります。
ウェディングは当日のリアクションが全部返ってくる感じだったけど、Web制作はサイトが公開されてお客様に喜んでもらえたり、「問い合わせが増えた」って連絡をもらえたりするときにじわっと来る感じ。
即効性よりも、じわじわ積み上がっていく手応えというか。
でも結局、お客様のリアクションが一番のやりがいなのは変わってないですね。
── やりがいを感じるタイミングは変わっても、お客様の反応が原動力になっているのは変わらないんですね。
他にも、ウェディング業界とWeb制作業界で、共通していると感じる部分はありますか?
「お客様が本当に求めているものを引き出す」というプロセスは、まったく同じだと感じています。
言葉にされていないニーズを拾って、形にして、リアクションをもらう。
その流れは、結婚式もホームページも変わらないので。
── なるほど。逆に、違いについて聞かせてください。
たとえば、ウェディング業界では「人を幸せにする仕事」、現在は「企業の課題を解決する仕事」だと思いますが、ご自身ではどのような違いを感じていますか?
感情に直接触れるかどうか、かなと思います。
ウェディングは喜びや感動がダイレクトに返ってくる仕事で、お客様の感情の振れ幅がすごく大きい。
一方でWeb制作は、課題解決という少し論理的なアプローチが必要で、感情よりも「成果」で喜んでもらう場面が多い。
どちらが良い悪いではなくて、関わり方のモードが違う感じですね。
── 同じお客様と向き合う仕事でも、求められるアプローチはずいぶん違うんですね。
では、そんなウェディング業界での経験は、現在のディレクターという仕事にどのように活きているのか、お話を聞かせてください。
ホームページ制作のお客様と、結婚式のお客様。向き合い方に共通点はありますか?
どちらも「完成形をまだ見ていない人」と一緒に作り上げていくという点が共通していると思います。
お客様自身がゴールを明確に描けていないことが多いから、こちらが引き出しながら一緒に言語化していく。
その伴走の仕方は、業界が変わっても同じだなと感じています。
── 「良いホームページができた」と感じる瞬間は、結婚式が成功した瞬間と似ていますか?
似てますね。
公開した瞬間にお客様から
「イメージ通りです!」
「これが欲しかった!」
って言ってもらえると、結婚式の当日に近い感覚があります。
形は全然違うけど、「自分が関わったものが誰かの喜びになった」という手応えは同じ。
そのリアクションをもらう瞬間が、やっぱり一番好きだなと思います。
── お話を聞いていると、まさに「人の想いを形にする」という部分は、ウェディングもWeb制作も共通しているように感じます。
振り返ってみて、ウェディング業界での経験は今の自分にどんな影響を与えていると思いますか?
土台になっていると思います。
ヒアリング力、段取り力、お客様との信頼関係の作り方。
どれもウェディング業界の現場で身につけたもので、Web制作に転職してからも自分の強みになっている部分です。
遠回りしたように見えて、全部つながってたんだなって今は思えています。
── ありがとうございました。
最後に、異業種への転職を考えている人へメッセージをお願いします。
「今の経験は無駄にならない」って、本当に思います。
私自身、ウェディングからOA機器営業を経てWeb制作という、なかなか珍しいルートをたどってきたけど、どの経験も今の自分を作っている。
業界が変わっても、人と向き合う仕事の本質は変わらないから、「自分が楽しいと思える仕事」を軸に動いてみることが、結果的に一番の近道だと思います。
ウェディング業界からWeb制作業界へ。
一見すると大きなキャリアチェンジに見えますが、お話を伺う中で感じたのは、「人の想いを形にする」という部分は変わっていないということでした。
お客様の言葉にならない想いを引き出し、一緒に形にしていく。
それは結婚式でもホームページ制作でも同じなのかもしれません。
異業種での経験は遠回りに見えることもありますが、振り返ればすべてが今の自分につながっている。
そんなことを改めて感じるインタビューでした。
小林さん、ありがとうございました。
JOURNALが気に入ったら「いいね」してね!



