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経営者の仕事 2026.08.19

どうしましょうか、で始まる会議

WRITER
Nakamura Hiroki クリエイティブディレクター / 代表取締役
Nakamura Hiroki

クリエイティブディレクター / 代表取締役。ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士。

どうしましょうか、で始まる会議
この記事は、YouTube(音声ラジオ)でも聴けます。作業のおともに、ながらでどうぞ。

こんにちは、アプリコットデザインの中村です。今日は、決まらない打ち合わせの話を書いてみます。

議題に「今後についてどうしましょうか」と書いてある。集まって、一時間話す。いろんな意見が出て、なるほど、と思う場面もある。それで最後に、じゃあ次回までにそれぞれ考えてきましょう、と言って解散する。

次の回も、だいたい同じところから始まります。

これ、参加者の意欲の問題ではないと思っています。集まる前から、決まらないようになっていた、というだけの話です。

悩みという袋に二種類が入っている

人は、頭の中にあるものを、ぜんぶ「悩み」という一つの袋に入れてしまいがちです。会議も同じで、議題という袋にまとめて持ち込みます。

でも、袋の中身は二種類あります。

一つは、決めごと。決めたら終わるものです。もう一つは、気持ち。決めても終わらないものです。

たとえば、来期この事業を続けるかどうか。これは決めごとです。続けると決めれば、その話はいったん終わります。でも、その下にある「うちはこのままでいいんだろうか」という感じは、続けると決めても消えません。

この二つが混ざったまま回っていると、両方が止まります。決めごとのほうは、気持ちが晴れていないので、まだ決められない、と感じる。気持ちのほうは、何か決めれば晴れるはずだと思って、決めることを探しに行く。どちらも進みません。

まず紙に書き出してもらう

僕がお客様とやるときも、最初にやるのはこれです。

いま頭の中にあるものを、紙に書き出してもらいます。箇条書きでいいです。一行ずつ、短く。

だいたい七つか八つ出てきます。多い方で十五個くらい。ここで、もう一つ気づくことがあります。書き出すと、思っていたより数が少ないんです。頭の中にあるうちは無限にある感じがするのに、実際は八個だった、ということがよくあります。

書けたら、一行ずつこう聞いていきます。

これは、決めたら終わるのか。

終わるなら、決めごとの列に移します。終わらないなら、気持ちの列に移します。やってみると、結構はっきり分かれます。そして、たいてい決めごとのほうが多いです。

決まらない理由は二つしかない

次に、決めごとの列だけを見ます。決まっていないものには、理由があります。

一つは、材料が足りないとき。値段を知らない。先方がやってくれるかどうか分かっていない。いつまでに要るのかも聞いていない。材料がないのに頭の中だけで考えても、答えは出ません。これは考える話ではなく、聞きに行く話です。一本電話をかけたら終わることを、三日ぐるぐる考えていた、というのはよくあります。

もう一つは、期限がないとき。いつ決めてもいいことは、いつまでも決まりません。ですから、中身ではなく、日付だけを先に決めます。金曜の午前中に、これを決める。そうメモしておくと、金曜まで、その件は頭の中で回らなくなります。

先延ばしにしているように見えますが、逆です。頭から出していい状態を、先に作っているだけです。

自分が決める話ではないものが混ざる

分けたあとに、もう一つ気づくことがあります。決めごとの列に、自分が決める話ではないものが混ざっているんです。

先方がどうするか。来月の景気。あの人が自分たちをどう思っているか。これは決めようがありません。決める権利が、こちらにないからです。

それなのに、頭の中では決めごとの顔をして、ずっと居座り続けます。一番体力を使うのは、たぶんここです。これは、相手の返事を待つ、という状態に置いてしまっていいと思っています。

決める会なのか聞く会なのか

ここまでは一人の頭の中の話ですが、会議でもまったく同じことが起きます。

議題に「どうしましょうか」と書いてあるとき、あれは、決めごとと気持ちが混ざったまま持ち込まれている状態です。材料が足りていないなら、その日は決まりません。決まらない会議を一時間やると、みんな、なんとなく疲れて終わります。

ですから、集まる前に、これは決める会なのか、聞く会なのか。それを一行書いておくだけで、ずいぶん変わります。

決める会なら、材料を先に揃えておく。聞く会なら、今日は決めません、と最初に言ってしまう。決めない、と決まっている会は、意外と気が楽です。意見も出やすくなります。

決まったことを一行だけ残す

最後に、一つ足しておきます。

決めたはずのことが、翌週また回りはじめることがあります。これはたいてい、決めたという記録が残っていないからです。頭の中で決めたことは、頭の中で消えます。

ですから、決めた日と、決めたことを、一行だけ残しておく。八月十八日、この件はこうする。それだけでいいです。

同じことをもう一度ぜんぶ考え直すのは、結構高くつきます。一行あるだけで、次に回ってきたときに、これはもう決まっていたな、で終わります。会議も同じで、決まったことが一行残っている会と、残っていない会では、次に集まったときの中身がまったく違います。

もしよかったら、次の打ち合わせの議題の一行目に、決める会か、聞く会かを書いてみてください。それだけで、その一時間の中身が変わると思います。

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