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ブランディング 2026.07.28

人に聞くのはいい。でも、最後は自分で決める

WRITER
Nakamura Hiroki クリエイティブディレクター / 代表取締役
Nakamura Hiroki

クリエイティブディレクター / 代表取締役。ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士。

人に聞くのはいい。でも、最後は自分で決める
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こんにちは、アプリコットデザインの中村です。今日は、経営やブランディングの方向を決めるときの話を書いてみます。答えを外にばかり探していると、いちばん大事な「自分はどうしたいのか」が後回しになってしまう、という話です。

相談するほど、決められなくなる

何かに迷ったとき、人に相談する。経営者の方なら、同業の成功事例を調べ、本を読み、コンサルにも聞く。それ自体はいいことです。でも、情報を集めれば集めるほど、なんだか余計に決められなくなる。そういう感覚に、心当たりのある方は多いのではないでしょうか。仲のいい相手に何人か相談したら、それぞれ違う答えが返ってくる。どれも親身なアドバイスなのに、聞き終わったあとのほうが、かえってモヤモヤしている。これは、大きな経営判断でも、日々の小さな選択でも、同じように起きています。

正解を、自分の外側に探している

なぜこうなるのか。ひとつ思うのは、僕たちは相談しているようでいて、本当は「正解を、自分の外側に探している」からではないか、ということです。学校のテストなら答えはひとつですが、経営の方向や、会社の在り方には、誰にとっても正しい唯一の答えというものが、たぶんありません。同じ業界、同じ規模でも、何を大事にしているかで、進むべき道は変わります。だから、いくら外を探しても、そこに「自分たちにとっての答え」は落ちていない。落ちていないものを探しているから、調べれば調べるほど迷子になっていくんです。

「社長ご自身は、どうしたいんですか」

僕は仕事柄、いろんな会社の経営者の方とブランディングの話をします。「うちの会社って、どういう方向で行ったらいいと思いますか」と聞かれることが、よくあります。みなさん、同業の事例を調べ、本もたくさん読み、周りにも相談して、材料はいっぱい持っている。でも、「社長ご自身は、この会社をどうしたいんですか」とお聞きすると、そこで少し止まってしまう方が、けっこういらっしゃいます。これは能力の問題ではなくて、ただ単に、その問いを自分に向ける時間を、これまであまり取ってこなかっただけなんだと思います。周りの正解を集めるのに一生懸命で、自分の「こうしたい」に耳を澄ます時間が、後回しになっていた。それだけのことなんですよね。

人の意見は「材料」、決めるのは自分

相談することに意味がない、という話ではありません。人の意見は、決めてもらうためのものではなくて、「材料」として集めるものです。自分が見えていなかった視点をもらう。こういう考え方もあるのか、と引き出しが増える。そこまではとても大事なことです。問題は、材料を集めたあと。多くの人が、集めるところで力を使い果たしてしまって、いちばん大事な最後の一問を、自分にしていない。「で、自分たちは本当はどうしたいのか」という問いです。広報や販促で会社の言葉を扱っている方も、実感があるかもしれません。他社の良い事例をいくら集めても、最後に「自社はどうありたいか」が抜けていると、言葉がどこか借り物になってしまう。

「決めてあげる会社」にはならない

僕らはよく、「決めてあげる会社にはならない」という話をします。こちらが正解をポンと渡してしまうのは、簡単なんです。でも、それをやってしまうと、その会社が自分で決める力が育たない。次にまた迷ったとき、また誰かに決めてもらわないと動けなくなってしまう。だから僕らがやりたいのは、答えを渡すことではなくて、その会社が自分の「こうしたい」に気づいて、自分で決められる状態まで一緒にいくことです。自分で決めた方向は、たとえ回り道になっても、納得感が違います。うまくいかなくても「自分たちで選んだことだから」と次に進める。でも、人に決めてもらった方向は、うまくいかないと「あの人がああ言ったから」と、人のせいにしたくなる。会社の舵取りなのに、その主導権を、なんとなく外に預けてしまうことになるんです。

最後のひとつだけ、自分に聞く

だから、いろんな人に聞くのはいいんです。むしろ、どんどん聞いたらいい。ただ、全部聞き終わったあとに、ひとつだけ、自分たちのために残しておいてほしい問いがあります。「で、本当は自分たちはどうしたいのか」という問いです。自社の進む方向に言葉が詰まったときは、集めた事例をもう一周ひねる前に、少しだけ手を止めて、この一問を自分に返してみる。答えは、集めた材料の中ではなくて、たぶん、自分たちの中にあります。そこに気づけると、決めることが、少しずつ怖くなくなっていくのだと思います。

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