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ブランディング 2026.07.11

「なんだか気が乗らない」は、大切にしたいことのサインかもしれません

WRITER
Nakamura Hiroki クリエイティブディレクター / 代表取締役
Nakamura Hiroki

クリエイティブディレクター / 代表取締役。ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士。

「なんだか気が乗らない」は、大切にしたいことのサインかもしれません
この記事は、YouTube(音声ラジオ)でも聴けます。作業のおともに、ながらでどうぞ。

こんにちは、アプリコットデザインの中村です。

「やりたいことが見つからない」という相談を、経営者の方からも、広報や人事を担う方からも、よく聞きます。今日は、その「やりたいこと」を正面から探すのではなく、少し違う入り口から見つけにいく考え方を書いてみます。会社にとっても、個人にとっても効く話だと思います。

「なんだか気が乗らない」を、そのままにしない

仕事をしていると、「間違ってはいないのに、どうも前のめりになれない」という場面があります。数字を追う発信、とにかく人数を集める採用、言われた通りにこなすだけの制作。やるべきことなのに、なぜか気が乗らない。

この「気が乗らない」を、多くの人はわがままや甘えとして押し込めてしまいます。でも僕は、これは押し込めるより拾ったほうがいい信号だと考えています。やりたくないと感じるのは、自分たちが大事にしている何かと、目の前のやり方がズレているから。まだ言葉になっていないだけで、価値観が「そっちじゃない」と教えてくれている状態です。

違和感を掘ると、渡したいものが見えてくる

僕自身、成果を追うだけの仕事に、うまく説明できない違和感を持っていた時期があります。成果を出すのが仕事なのに矛盾しているようで、しばらくは見ないふりをしていました。でも、なんで気が乗らないんだろうと掘っていくと、「たくさんより、一つひとつを丁寧に」という質へのこだわりが根っこにあり、さらにその先に「想いや価値観に共感してくれるファンをつくりたい」という願いがあることに行き着きました。

成果そのものより、その手前にある「何を渡しているか」に、僕は一番の喜びを感じていた。やりたくないの裏側に、本当にやりたいことが対になって隠れていたわけです。ブランディングの言い方をすれば、違和感を掘ることは、自分たちがお客さんに本当は何を渡したいのか、その芯を掘り当てる作業でもあります。

やりたくないは、大切にしたいことの輪郭

これは会社の意思決定でも同じように使えます。嫌だという感情の裏には、たいてい「本当はこうありたい」という願いがセットで隠れています。強く避けたいと感じるほど、そこには強く守りたいものがある。嫌だという反応と、こうありたいという願いは、同じ一つの価値観を裏と表から見ているだけなのだと思います。

たとえば広報で、いいねの数だけを追う発信に気が乗らないなら、その裏には「数字より、ちゃんと伝わってほしい」という願いがあります。採用で、とにかく人数を集める求人に気が進まないなら、奥に「合う人と出会いたい」という気持ちがある。誰かを言いくるめるような売り方が嫌なら、そこには「納得して選んでほしい」という願いがある。やりたくないことは、裏返すと、自分たちが大切にしたいことの輪郭になっています。

探すより、拾う

だから、やりたいことがわからないときは、無理に前を向いて探さなくてもいいのだと思います。それより、日々のなかで感じる「なんか気が乗らないな」を見逃さずに拾い、なんで嫌なんだろうと、その理由をたどってみる。一度で答えが出なくてもかまいません。僕も、成果への違和感から、質へのこだわりへ、そしてファンづくりへと、二段も三段もたどって、ようやく腑に落ちました。理由を一つたどるたびに、自分でも気づいていなかった、大事にしたいものが少しずつ姿を現してきます。

やりたくないことの裏側には、やりがいが眠っている。もし今、自分たちの向かう先が見えなくてもやもやしているなら、そのもやもや自体が入り口かもしれません。嫌だなと思う気持ちを片づけずに、その理由を聞いてみる。そこから、自分たちにしか立てない場所が見えてくると思います。

今日より明日が、ちょっと楽しくなりますように。

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