こんにちは、アプリコットデザインの中村です。今日は、AIに自社の名前が出てくるかどうかの話です。先に言ってしまうと、名前を出したいときに最初にやることは、自社サイトの検索対策ではないと思っています。AIが実際に読んでいる比較記事のほうに載る。そっちが先です。
そう考えるようになったのは、今週、自分の会社で測ってみたからです。数字と一緒に書きます。
6社を並べたら、商売の言葉はゼロだった
うちの会社と、同じ長野県でデザインやブランディングをやっている5社。合わせて6社分の検索順位を、まとめて調べました。
この5社は、机の上で選んだわけではありません。AIに「長野県のブランディング会社」と聞いたときに、AIが実際に名前を挙げた会社を採っています。AIが同業だと見なしている、という証拠つきで選べるからです。
その6社が、それぞれどんな言葉で、検索の20位以内に入っているか。ぜんぶ出しました。
結果です。「ブランディング」という言葉で20位以内にいる会社は、6社中ゼロでした。「デザイン会社」もゼロ。「ホームページ制作」もゼロ。「採用」もゼロ。
うちは119件、順位を持っていました。数だけ見ると、多く見えます。ただ、中身を開いたら、ぜんぶブログの記事と、お客様の会社名でした。たとえば「グーグル ゲーム ロゴ」。仕事につながる言葉ではありません。5社のうち1社は、20位以内が1件もありませんでした。
もう1社、別に運営している組織開発の会社でも同じことをやりました。こちらは自社サイトが0件。順位なしです。
そちらの競合は、大量に取っていました。1社で1,000件。ただ中身は「リスケとは」「OJTとは」「エンゲージメントとは」。用語の解説記事でした。大手の人材系の会社が、ビジネス用語をまとめた辞典のようなサイトを持っていて、そこで流入を取っている型です。真似はできませんし、仮にできたとしても、たぶん「OJTとは」を調べに来た人が組織開発の相談をしてくれるとは思えません。
AIが読んでいたのは、比較記事のほうだった
ここからが本題です。じゃあAIは、何を読んで会社の名前を挙げているのか。
うちの会社について、4つのAIに何度も質問して、答えの中で「参考にしたURL」として出てきたものを集めてありました。それを、1つずつ開いてみたんです。
同業のサイトも入っています。ただ、そこに混ざって並んでいたのが比較記事でした。「長野県のおすすめ店舗デザイン会社9選」「長野市のホームページ制作会社おすすめ13社」。そういうタイトルの記事です。
検索順位を誰も持っていない市場で、AIはまとめ記事を読んで会社を挙げていました。
検索とAIは、そもそも土俵が違う
考えてみれば、当たり前のことだと思います。検索は、自分のサイトが順位で並びます。AIは、他人が書いた記事を読んで、要約して答えます。
だとすると、自分のサイトをどれだけ直しても、AIが読んでいるのが他人の記事なら、答えは変わりません。ここが分かって、打ち手が変わりました。自社サイトの検索対策よりも先に、AIが読んでいるその記事のほうに載る。そのほうが近道だと思っています。
測るのは、4つのAIと3つの記録
では何を測るのか。ここを具体的にします。
使うAIは4つです。ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexity。この4つに、同じ質問を、月に1回、同じ日に投げます。日を決めておかないと、比べられる数字になりません。ここは、けっこう大事だと思います。
記録するのは3つです。
- 自分の会社の名前が出たか。
- 一緒に挙がった会社は何社で、自分は何番目だったか。
- 答えの下に出てくる参考URLは何か。
3つ目がいちばん大事です。そこに自社サイトがなくて、「◯選」の記事ばかりが並んでいたら、打ち手はそっちにあるということになります。
業種を変えた質問文を、5つ
そのまま使える形で置いておきます。
- 工務店|「長野市で注文住宅を建てるなら、どの工務店がいいですか」
- 制作会社|「長野県のホームページ制作会社のおすすめを教えてください」
- カフェ|「長野市でコーヒーがおいしいカフェを教えてください」
- 士業|「創業融資の相談に強い税理士を探しています」
- 広報担当|「◯◯株式会社はどんな会社ですか」
最後の1つは、意外とやっていない方が多いと思います。自分の会社についてAIが何と答えているか。事実と違うことを言っている場合も、わりとあります。
実際、組織開発の会社を測ったときには、名前の似た別の会社が2つ混ざっていました。1つは千葉の建設会社、もう1つは空間デザインの会社です。AIが社名で取り違えていました。これは検索対策の話ではなく、名前がぶつかっているという別の問題なので、分けて考える必要があります。
10分で終わる手順と、そのあとの5分
手順にすると10分です。
いま挙げた質問のうち3つを選んで、4つのAIに投げる。紙でもメモ帳でもいいので、さきほどの3つを書く。名前が出たか、何番目か、参考URLは何か。それだけで、自社サイトを直す話なのか、外に載る話なのか、どちらを先にやるかが決まると思います。
外に載る話だと分かったら、もう5分だけ足してください。参考URLに出てきた記事を3本ひらく。ページのいちばん下に、運営している会社と問い合わせ先が書いてあります。そこに掲載の入口があるか、費用がかかるのかを見る。ここまでやると、AI対策という言葉が、やることのある作業に変わります。
正直に言っておきたいこと
2つあります。
1つは、これが自分の会社まわりの、狭い範囲で測った話だということ。デザインと組織開発の2つだけです。業種が変われば、検索の需要がちゃんとある市場もあると思います。全部の業種でSEOが終わった、という話ではありません。
もう1つは、AIの答えが毎回同じではないこと。1回聞いて名前が出なかったから終わり、でもありません。だから、たまたまを見ないように、同じ質問を続けて測ります。
うちは「自分たちでやってみて、うまくいったことしか提案しない」と言っています。今回は、うまくいかなかったほうが先に分かった形でした。それでも、お客様にお伝えできるものだと思っています。
もしよかったら、まずは自分の会社名をAIに入れて、何と答えるかだけ見てみてください。1分で終わります。
JOURNALが気に入ったら「いいね」してね!



