伝わるホームページとは? 伝わらないサイトの特徴から本質を考える
DATE . 2026.03.22
Category : WEB・WEBブランディング

Creative Director
株式会社アプリコットデザイン 代表
ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士
DATE . 2026.03.22
Category : WEB・WEBブランディング

Creative Director
株式会社アプリコットデザイン 代表
ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士
「伝わるホームページを作りたい」という相談はとても多いです。ただ、この“伝わる”という言葉は便利なようで、かなり曖昧です。
見やすいことなのか。
デザインが整っていることなのか。
情報が分かりやすいことなのか。
それとも、問い合わせや採用応募などの成果が出ることなのか。
どれも関係していますが、本質を言い切れているわけではありません。そこで今回は、あえて逆から考えてみたいと思います。
伝わるホームページとは何かを考える前に、まずは伝わらないホームページとは何かを整理します。すると、企業サイトの役割が「情報掲載」ではなく「判断設計」にあることが見えてきます。
伝わらないホームページというと、情報不足をイメージするかもしれません。
ですが、実務では逆のケースがよくあります。
会社概要、事業内容、実績、理念もメッセージなど一通り必要な情報を掲載したホームページ。それでも、読んだあとに「結局この会社は何が違うのか」が分からない。
これは、情報量の問題ではありません。問題は、読み手が理解する順番で設計されていないことです。
企業側は自社のことを知り尽くしています。だから「この説明で十分伝わるはず」と思いやすい。
でも、はじめてサイトを見る人には前提知識がありません。
その状態で専門用語や抽象的な強みだけを見せても、意味としてつながらないのです。
たとえば「高品質」「提案力」「伴走支援」「ワンストップ対応」といった言葉は、多くのサイトで見かけます。ただし、これらの言葉だけでは差別化になりません。
なぜその品質が実現できるのか。
どのように提案してくれるのか。
どこまで伴走するのか。
こうした具体がなければ、言葉は読まれても、理解や納得には届きません。
ホームページの改善というと、まずデザインやコピーを見直そうとしがちです。もちろん、それも大切です。ですが、本質的な原因は、もっと上流にあることが多いです。
それは、企業の価値が、相手にどう解釈されるかまで設計されていないことです。
企業は「自分たちの強みを伝えたい」と考えます。一方でユーザーは、「自分に関係あるのか」「信じていいのか」「どう役立つのか」を知りたい。この視点のズレを埋めない限り、サイトは一方的な説明になってしまいます。
つまり、伝わるホームページを作るには、見た目の前に以下を整理する必要があります。
まず、誰に届けるのか。
次に、その相手は何を不安に感じているのか。
そして、その不安をどう解消できるのか。
最後に、それを何によって信じてもらうのか。
この4つが整理されると、ページ構成が変わります。
ファーストビューで何を言うべきか。
サービス紹介の前に何を説明すべきか。
実績はどこで見せるべきか。
問い合わせ導線の前に何が必要か。
すべてが「なんとなく」ではなく、意味を持って決まるようになります。
では、伝わるホームページとは何でしょうか。僕は、相手が安心して判断できる状態をつくるホームページだと思います。
具体的には、次の流れが自然に見えることです。
この会社は何をしているのか。
誰に向けた会社なのか。
何が違うのか。
なぜ信じていいのか。
次に何をすればいいのか。
この流れがあると、ユーザーは迷いません。迷わないから、問い合わせや相談、資料請求、採用応募などの行動につながります。逆に、この流れが切れていると、どれだけきれいなサイトでも止まってしまいます。
実務では、次の3つをチェックすると改善点が見えやすいです。
ひとつ目は、主語が会社ばかりになっていないか。「私たちは」「当社は」ばかり続くと、読み手の関心とズレやすくなります。
ふたつ目は、抽象語に具体が続いているか。「高品質」「柔軟」「安心」などの言葉には、必ず理由や事例を添える必要があります。
三つ目は、次の行動が自然に見えるか。問い合わせボタンがあるだけではなく、相談前に何が分かるのか、どんな流れなのか、どのくらいの負担なのかが分かると、行動しやすくなります。
伝わるホームページとは、単に情報を掲載したサイトではなく、見た目が整っているだけのサイトでもありません。
本質は、相手が理解し、納得し、安心して判断できる状態をつくることです。
そのためには、情報を増やすより先に、誰に向けて、どんな不安に答え、何を根拠に信じてもらうのかを整理する必要があります。
もし今、自社サイトを見直したいと考えているなら、まずはこの問いから始めてみてください。
このホームページを読んだ人は、安心して判断できるだろうか。この問いに向き合うことが、伝わるホームページづくりの出発点になると思います。

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