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ブランディングって必要?病院でも“選ばれる理由”がいる時代

DATE . 2025.12.09

Category : ブランディング

Nakamura Hiroki
ジャーナルを書いた人Nakamura Hiroki

Creative Director

株式会社アプリコットデザイン 代表
ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士

ブランディングって必要?病院でも“選ばれる理由”がいる時代

どうも、中村です!

今日は、「ブランディングってそもそも必要なんでしょうか?」
という質問をいただいたので、このテーマについてお話ししようと思います。
特に今回は「医療業界」を例にして、深掘りしていきます。

「病院やクリニックって、別にブランディングしなくても人来るでしょ?」

確かに、そう思う方もいるかもしれません。

でも、実はこの“必要なさそうに見える業界”にこそ、ブランディングがすごく重要なんです。

ブランディングとは「選ばれ続ける仕組みづくり」

まず前提として、僕が考えるブランディングとは「自社が選ばれ続けるための仕組みをつくること」です。
「選ばれる」ということは、つまり“選択肢がある状態”が前提になります。

例えば、砂漠で水を売っているお店が1軒しかなかったら、他と比較されることなく自然とそのお店が選ばれます。
でも、現代のほとんどの業界では、そうした“競合がいない”状況はほぼありません。

これは病院でも同じです。

「うちは地域で唯一の◯◯専門クリニックだから大丈夫」と思っていても、
数年後には同じ専門のクリニックが近くにできるかもしれません。

さらに最近では、患者さんがネットの口コミやSNSで情報を調べてから病院を選ぶのも当たり前になっています。

つまり、「選ばれる理由」を意識しておかないと、
いざ選ばれなくなったときに対応ができないんです。

理由①:将来のリスクを回避するため

経営者としてとても重要な役割のひとつは、“まだ起きていないリスクを見越して、手を打っておくこと”です。
これは、どの業界にも共通して言えることです。

たとえば現在、地域で唯一の小児科を運営していたとしましょう。
現状では、選ばれる努力をしなくても、患者さんは自然と集まってきます。

でも、もし数年後に大手医療グループが進出してきたら?
もしSNSで「近くの◯◯クリニックの先生が優しい」と話題になったら?

そういう時に、すでにブランディングを進めていて、
「ここは安心して通える」「この先生だから通いたい」という信頼が築けていれば、選ばれ続けます。

でも何も準備していないと、「まぁ、こっちでもいいか」と患者さんは簡単に流れてしまう可能性があります。

特にブランディングは、短期間で成果が出るものではなく、
時間をかけて少しずつ積み上げていく必要があります。

だからこそ、今から「選ばれる仕組み」を整えておくことが重要です。

理由②:楽しく仕事をするため

もうひとつ、ブランディングをしておくことの大きなメリットがあります。
それは、自分たちが“付き合いたいお客様”を選べるようになることです。

たとえば、ハイブランドのショップって、あえて店舗の入り口を重厚にしたり、
入りにくい雰囲気にしたりしていますよね。

あれは、すべてのお客さんに来てほしいわけではなく、
「ブランドの価値を理解してくれる人に来てほしい」という明確な意図があるからです。

病院やクリニックでも同じように、「どんな患者さんに来てほしいのか」を発信することで、
自分たちに合った人が自然と集まるようになります。

たとえば、「子育てママに寄り添った診療スタイル」を打ち出せば、同じ価値観の方が集まりやすくなります。

そうすると、コミュニケーションも取りやすく、診察のやり取りもスムーズ。
結果的に、スタッフのストレスも減って、毎日の仕事がぐっと楽しくなります。

ブランディングは“どの業界にも必要”な視点

今回の話は医療業界を例にしましたが、
「選ばれる理由を持つ」ことの大切さは、すべての業界に共通します。

たとえば、町の工務店や美容室、士業、BtoBの製造業であっても、
比較される時代において「なぜ、あなたを選ぶのか?」が言語化されていないと、
価格や立地などの“条件”でしか選ばれなくなってしまいます。

ブランディングというと、「おしゃれなロゴ」や「洗練されたデザイン」
と思われがちですが、本質はそこではありません。

「自分たちの価値や存在意義を明確にし、それを必要としている人に届ける」
それが本当のブランディングです。

選ばれる理由は、あなたが一番考えるべきこと

いかがでしたか?

ブランディングは「絶対にやらなければならないもの」ではありません。
でも、選ばれる理由が曖昧なままだと、時代の変化に流されやすくなります。

そして一度、「選ばれない側」になってしまうと、そこから立て直すのは簡単ではありません。
だからこそ、今のうちから「自社がなぜ選ばれるのか?」を考え、
ブランディングという形で言語化・視覚化していくことが大切です。

「うちはまだ必要ないかな?」と思っている業界ほど、今がチャンスです。
あなたの会社・お店・サービスが、これからも選ばれ続ける存在になるために、ぜひ一度考えてみてください。

それでは、また!

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