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tone village誕生ストーリー

DATE . 2024.05.26

UPDATE DATE . 2025.09.15

Category : 自社プロジェクト

Nakamura Hiroki
ジャーナルを書いた人Nakamura Hiroki

Creative Director

株式会社アプリコットデザイン 代表
ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士

tone village誕生ストーリー

過去の会社の古い資料を見ていたら、10年前の会社のパンフレットを見つけました。そのパンフレットのデザインはちょっと古臭い感じで、見ているこちらが恥ずかしくなるほどでした。

でも、デザインだけじゃなくて、パンフレットの下に書かれている言葉が特に興味深かったんです。

そこには「LIFE&WORK DESIGN COMPANY」と書かれていました。

どうやら当時の僕は、生活(LIFE)と仕事(WORK)という人生全体をデザインしたかったみたいです。

その後、アプリコットデザインの理念は「シアワセをデザインする」に変わりましたが、根本には「関わる人が充実したシアワセな人生を送ってほしい」という思いがありました。

・・・

はじまりは、2022年、夏。

ずっと長い間、事務所の移転を考えており、どうせなら賃貸ではなく新築で建てようと企んでいました。

でも、なかなか良い土地に出会えませんでした。「いいな」と思った土地はいつもすぐに売れてしまいます。

ある日、お世話になっている銀行の人から、「良い土地が見つかりました」と連絡がありました。

すぐにその土地の情報を見せてもらうと、僕が探していた条件にぴったりの素敵な土地でした。

良い土地はすぐに売れてしまうことを知っていた僕は、すぐに行動を起こしました。銀行の人に連絡を取り、その土地を扱っている建築会社の人と一緒に、土地を見に行きました。

その土地はロケーションが良く、広さも200坪あって、事務所には大きすぎました。そんな時、僕はずっと考えていたアイデアを思い出しました。

それは、トリミングサロン、ネイルサロン、カフェが一緒になった複合施設を作るというものです。これまではただの夢に思えたけど、その土地を見た瞬間、夢が実現するかも!と期待が膨らみました。

思い立ったら即行動

土地を見た後、すぐに建築会社の事務所へ行き、頭の中にあったアイデアを手書きで伝えました。そして後日、概算の見積もりをもらう約束をして家に帰りました。

会社に帰る道すがら、冷静になって考えると、僕の構想はあまりにも大胆で実現が難しいかもしれないと思い、ほとんど諦めかけました。

数日後、建築会社から見積もりが届きました。その高額な金額を見て、諦める気持ちはさらに強くなりました。「こんな金額を銀行が貸してくれるわけない」と思いました。

でも、これが二度とないチャンスだと感じたので、僕はできる限りのことをしてみることにし、銀行に提出する企画書を全力で書き上げました。

銀行は信用と将来性を重視して融資を決めます。創業以来、お金を借りてはきちんと返してきたので、信用は問題ないはずです。問題はプロジェクトの将来性だったので、銀行の担当者が上司に提案しやすい資料を作りました。

その甲斐あって、融資が通りました。

その連絡を受けたとき、時が止まったような感覚でした。そして、空を見上げて心の中で「やったー」と叫びました。

まさか、夢のまた夢だった構想が実現するなんて、本当に夢のようでした。

コンセプトを作り出す

たくさんのことが同時に動き出しました。お金のこと、契約のこと、建物の設計や外装、内装のことなど、いろいろな準備を同時に進めなければならず、ちょっとパニックに陥ります。

建築会社と相談した結果、建物が完成するのは翌年の3月ごろになると分かり、オープン日を5月に決めました。

決めたはいいものの、逆算して考えるとやるべきことが山積み。

重要なお客さんを集める活動も丁寧に進めたいと思いましたが、まず最初に取り組むべきは採用活動でした。

特にトリミングサロンとカフェはまったく新しいプロジェクトで、専門性が高いため、採用が難しいと思っていました。

採用はすぐに始めなければならないと分かっていましたが、建物もサービスもまだ何もない状態で人を集めることができるのか不安。

そこで、まずは施設のコンセプト作りから始めることにしました。

今回は施設全体のコンセプトと、4つの店舗ごとのコンセプトが必要でした。最初に施設全体のコンセプトを考えました。

考えなければいけないことは

・なぜデザイン会社がこの複合施設を作るのか
・会社のビジョンやミッションとの一貫性
・社会に対する価値

特に大切にしたのは、社会にどんな価値を提供できるかという点です。最近は、会社が社会に対してどんな価値を提供できるか、会社の存在意義(パーパス)が重要視されているためです。

コンセプトの前に名称を決める

僕たちがこれまで行ってきたブランディングデザインは、企業の良いところを見つけ、それをわかりやすく伝えることで、企業の価値を最大限に高め、売り上げの向上を目指してきました。

これらの活動を「色」という言葉を使ってコンセプトにしました。

色を見つけ、色を輝かせ、色を磨き続ける

ブランディングで色を見つけ、デザインで色を輝かせ、それを一貫して伝え続けることで、色を磨き続けることにつながります。

これを基に、複合施設の名前には「色」に関連する言葉を入れたいと考えました。そこで「TONE」という言葉を選びました。

「TONE」には、色を調合する、調子を整えるという意味があります。僕たちも仕事で「トーン」という言葉をよく使います。例えば「トーンマナー」というように。

まず「トーン」という言葉を使うことに決めましたが、それだけでは少し足りない気がしました。そこで、さらに良い組み合わせの言葉を考えました。

色が交わるから「TONE CROSS」。
人と人が繋がるから「TONE CONNECT」。

なんだかしっくりこないなぁと考え続けます。

複合施設のレイアウトはコの字型で、真ん中に庭があります。ここでいろんな考えを持った人が集まって、コミュニケーションが生まれるといいなと思い、コの字型にしました。

僕たちは創業以来デジタルを中心に仕事をしてきましたが、アナログも大事にしており、打ち合わせでは遠方でも出向いていました。

コロナが広がり、社会はさらにデジタルにシフトしましたが、その中でデジタルの味気なさや、人と顔を合わせて会話することの素晴らしさを再認識した人も多いと思います。

だから、この複合施設はデジタルとアナログがうまく融合する場所にしたいと思いました。

そして思い浮かんだ言葉が「ビレッジ」です。

アナログとデジタルは対立する言葉ですが、街と村もある意味対立する言葉だと思い、面白いと思ったので「トーン」と「ビレッジ」を組み合わせて「トーンビレッジ」と名付けました。

トーンビレッジのコンセプトと社会的意義

日本の社会情勢を見ると、30年間給料があまり上がっていないという問題があります。

これは企業が適正な利益を生み出せていないからだと思います。本来200円の価値があるものを100円で提供しているため、価値が正しく評価されていないのが原因ではないでしょうか。これは働く人も同じで、価値が正しく評価されれば、その分給料も上がるはずです。

企業と個人は異なるように見えて、根本的な原因は同じだと考えます。僕たちがこれまで行ってきたブランディングやデザインの仕事は、価値を正しく評価してもらうためのプロセスで、その流れを個人に置き換えて考えると、個人の色を見つけ、色を輝かせ、色を磨き続けることができれば、その人の価値が上がり、社会が少しずつ良くなるのではないかと思いました。

だから、トーンビレッジの社会的意義は、個人が自分の能力を最大限に伸ばすためのきっかけや学びの場になることであると考えました。

そこから生まれたトーンビレッジのキャッチフレーズは、「それぞれのらしさ溢れる日常を」です。

自分の価値を最大限に発揮している状態を「自分らしく働けている」と定義、訪れた人が自分に納得した人生を送れるようなきっかけを提供する場所にしたいと思いました。

「自分らしい」という言葉は、抽象的で人によって解釈が違うと思います。僕たちが考える「自分らしさ」とは、今の自分に納得していることです。

もっとシンプルに言うと、仕事を仕事として考えるのではなく、遊びの延長のように夢中になれることを持っている状態です。

ご飯も忘れてのめり込んでしまう、楽しくて探究心がどんどん湧いてくる、そんな人が増えたら、社会全体がワクワクする遊び場になると思いました。

価値を明確にする

コンセプトが決まったら、複合施設の価値を明確にします。

先ほども言いましたが、訪れた人が自分らしい人生を送れるようなきっかけになる場所を目指しています。そこで、どうすれば自分らしい人生を送れるかを考えました。

まず、施設に来た人が前向きな気持ちになれること、そして新しい発見があること。そして、訪れた人が明日からも頑張ろうという元気を得たり、少しの間でも休めたり、自分の特長を見つけるために、自分をよく理解することが大事なので、そのきっかけを提供することが大切だと考えました。

そこから生まれた提供したい価値は次のとおりです。

新しいトキメキは人生のスパイス

視野を広げれば、世の中には知らないことばかり。世界には、人生を変えるワクワクが溢れてる。訪れるたびに出会う新しい自分と新しい発見。ここにはきっと、あなたの人生に豊かさを与えるとっておきのスパイスがある。

自分のイロ(個性)を探し輝かせる

「わたしの人生、このままでいいのかな?」そんな疑問が心に浮かぶ瞬間はありませんか?なんとかしたくても、具体的な行動はもちろん、自分の個性や価値も、なかなかわからない。ここにはそんなあなたへのヒントが隠れているはず。

イロドリある豊かな時間をお届け

忙しい毎日では、身近なシアワセを見逃してしまう。一度きりの人生を、楽しく豊かに暮らしたいと誰もが願っているはずなのに。そんなときにこそ一度立ち止まって、”調子”を整えてみませんか?明日からまたがんばれる自分になるために。

これらの価値を元にして、各店舗のコンセプトを作り始めます。

ネイルサロン

「色を纏い自分らしく生きていく」忙しい毎日を、ほんの少しだけ忘れるような穏やかな時間の中で、 あなたらしい色を一緒に見つけ、そっと背中を押すサロン。

トリミングサロン

「特別な日常ではなく、穏やかでずっと続く日常を。」わんちゃんの心と身体を大切にすることをモットーにしたトリミングサロン。

カフェ

tone villageのまんなかで、誰もがほっと一息つける場所。ゆっくり一人の時間を楽しみたいときも、大切な誰かと優しい時間を過ごしたいときも。日常のさまざまなシーンにフィットする、そのままのあなたに寄り添うカフェ。

スクール

あなただけの「色」を見つけて輝かせる場所。日々の暮らしを少し豊かにするための講座が受けられる『ライフスタイル部門』と、自分らしく働くヒントを見つける講座・セミナーを開催する『ワークスタイル部門』の2つのカテゴリーを設け、tone villageを訪れるみなさまの“わたしらしく生きる”未来を一緒に考え、作っていきます。

それぞれのコンセプトを考える上で気をつけたのは、一貫性があること。自社の価値観と複合施設の価値観、各店舗に至るまで、どこを切っても絵柄があらわれる金太郎飴のような一貫性を意識しました。

工事は順調に進みます。

そしてようやく建物の全貌が見えてきたのは、オープン1ヶ月半前のことでした。建物が引き渡され、事務所の引越しや店舗のオープン準備がここから始まります。

・店舗の設備手配
・決済システムの手配
・音響やネット周りの工事手配
・セキュリティの手配



特にカフェについては、メニューを決めるために試作を繰り返したり、オペレーションをつくったりと、とにかくやることが多く大変でした。

本当にオープンできるのか?と不安な気持ちでギリギリまで準備に追われます。

ドッグサロンにおいては、コロナの影響で業務用のドライヤーが入荷しない・・・などのトラブルもありヒヤヒヤすることも。

そして僕たちの十八番である各種デザイン制作。

看板デザインから始まり、名刺やパンフレット、店頭のPOP、ショップカード、ポスターなど。これらが4店舗分なので、とにかく作るものが多く、ひたすら制作を進めていきました。

とはいえ、コンセプトが明確になっていたので、そこまでデザイン制作に時間はかかりませんでした。

そんなこんなで、様々なトラブルがありながらも、何とかオープン当日を迎えることができたのでした。

オープン当日は、関係者のみなさんからたくさんのお花をいただき、本当にオープンできたことが実感できました。

そして、これからが本当のスタートだと感じて、気持ちが引き締まりました。

ここまでがオープンまでのお話です。長々とお読みいただきありがとうございました。

これから店舗を始める方や新規事業を立ち上げる方に少しでも励みになればと思っています。

ここからは、オープンの準備を進める中で心掛けていたことや、感じたことを少しだけ共有したいと思います。

新規事業は人と集客がカギ

新しい事業を始める時は、働く人を集めることと、お客さんを集めることがとても大事です。これはどの事業にも当てはまりますが、新しい事業では特に重要です。

僕たちはデザイン会社として、多くのお店の開業をお手伝いしてきましたが、準備が忙しいと、どうしても集客の準備が後回しになってしまいます。なぜなら、準備中はお店をオープンすることの優先度が高くなるからです。

僕はそのことを知っていたので、どんなに忙しくても集客の準備を同時に進めるようにしていました。コンセプトやロゴが決まったら、すぐに採用活動とホームページの準備を始めました。

まだ写真やメニューが決まっていないので、コンセプトとロゴだけのシンプルなホームページになりましたが、それでもオープン前に多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらうことが大切だと思いました。

Instagramも早くから始めて、少しずつ情報を発信しました。

同時に、社内ではオープン後の宣伝活動について話し合いを進めました。そして仮のホームページができた後は、僕たちの得意な情報発信をしました。

多くの場合、お店がオープンする直前や当日にホームページを公開することが多いですが、僕たちは半年も前からホームページを作り、情報を発信し続けました。

その結果、オープンした月のアクセス数は10,000件を超えました。

この経験から、新しい事業を始めると決まったら、すぐにホームページを作り、情報を発信することがとても重要だと再認識しました。

集客活動について

今回のプロジェクトで、集客のためにInstagramとホームページを活用しました。ターゲットは20代後半から30代前半の女性で、これに合わせてInstagramとホームページを集客の中心にしました。

写真が少なくて大変だったのですが、情報発信では相乗効果を生むことを心がけました。例えば、採用活動ではコンセプトをしっかり伝えつつ、それが認知拡大にもつながるように工夫しました。

オープン前は、メニュー開発の進行状況を少しずつ公開して期待を高めました。オープン前にはカフェで試食会も開催し、新しい情報を広げる企画も行ったりしました。

また、オープン時にはプレスリリースを発信し、メディアに取り上げてもらうこともしました。その結果、ホームページのアクセス数は初月で1万件を超えました。

私たちはいつも情報発信の重要性を感じており、自分たちの価値をしっかりと伝え続けることを大切にしてきました。それが結果につながったと思います。情報の管理やコントロールがとても重要だと、改めて感じました。

採用活動でコンセプトの重要性を知る

コンセプトが決まった後、すぐに採用活動を始めました。会社の採用サイトを作り、各方面へ露出を行いました。

その中でもカフェの求人にはすぐに応募がありましたが、最初に心配していたトリミングサロンの求人にはほとんど応募がありませんでした。

働く人が集まらなければオープンできないので、Instagramで広告を出すなどして、さらに告知を強化します。

その結果、何人かが応募してくれ、その中から現在のサロンの店長と出会うことができました。

ペット業界では裏側で悲しいことも多く、業界を変えたい!という思いを持つ人も少なくありません。

僕自身、20代の頃にペット関連の店を経営していた経験があり、業界の事情をよく知っていました。

幸せなペットと飼い主が増えることを願い、「わんちゃんファーストのサロン」というコンセプトを掲げていました。

このコンセプトに共感して集まってくれたのが、今のスタッフです。この時コンセプトの重要性を改めて感じたのと、事業を行う目的や意思は、人の心を動かす力を持っていることも実感しました。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。今後もtone villageにまつわるお話は発信していく予定です。

それでは、また!

tone village

〒381-2205 長野県長野市青木島町大塚901-2
営業時間/10:00-18:00 定休日/不定休
https://tone-village.com/

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