UPDATE:2023.9.13
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子供の純粋な疑問に、重大な制作のヒントがある
先日、ひらがながちょこっと読めるようになってきたわが子に
「これなんて読むの?」と聞かれました。
そこにあったのは
かわいく子供向けにデザインされたおりがみのパッケージ。
![](https://apricot-design.com/wp2023/wp-content/uploads/2023/09/72870f8839858aaa9c77c6c5a6ac6517.png)
え??????
どこをどう見ても「り」はひとつだったけれど…
子どもの頭に浮かんでいるであろう「ふたつの り」の正体を謎解き。
あ、
![](https://apricot-design.com/wp2023/wp-content/uploads/2023/09/0e8f23d1bc9e17bbc3cf6c85f4730717.png)
確かに、おっしゃるとおり、
「り」には書体によって一画目と二画目が繋がっているものと離れているものがあります。
普段意識せずに読んでしまいますが
子どもの純粋な疑問から、書体によって2通り形があることを思い出しました。
どっちが正解なんだろうか?と考える時
私は「教科書体」に答えを求めます。
「教科書体」は
文部科学省の小学校学習指導要領「国語」で使用されている
「学年別漢字配当表」にある書体にしたがって作られたものです。
小学生が最初に文字を習う時に目にする字形に近いのが教科書体なので、
迷った時はこの書体で確認すればいい、と自分の中で思っています。
![](https://apricot-design.com/wp2023/wp-content/uploads/2023/09/b0933f05f04397ac6536ed42863db9ef.png)
子どもの頭に浮かんでいたのはやっぱり一画目と二画目が離れた「り」だったか。
他にも
「き」「さ」「そ」「ゆ」などが
線と線同士が繋がってたり離れてたりして ふたつあります。
![](https://apricot-design.com/wp2023/wp-content/uploads/2023/09/eab2196db5f465ff4e4385bfd327af8c.png)
大人になると経験則でいろんなものを見れてしまいますが
小さな小さな疑問に気づける子どもの目線は実はとっても貴重です。
とってもかわいい、子ども向けっぽい書体でも
実は子どもにとっては可読性が低い書体もあるかもしれません。
「文字で伝えること」は、われわれの仕事の基本のきです。
自分の制作物が、それを見る人に
わかりやすく違和感なく伝えらているかを考えて
書体一つ一つ選んでいきたいと思った出来事でした。