UPDATE:2023.10.11
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客単価を倍以上にした瞬間を目の前で見た日。
市内で大道芸フェスティバルをやっていたり出かけた先でたまたま見かけたりとで
最近立て続けに『大道芸』を目にする機会がありました。
私一人ならばスルーしていることが多いのですが
子どもの足が止まってしまい、一緒に見ていました。
いつもは最後の最後まで見ていくことはないのですが
その日出会った芸人さんは「大道芸の巨匠」みたいな人で
たくさんの素晴らしい技と「芸人」の名にふさわしい巧みな面白い話術で
子どもよりも私の方が釘付けになってしまいました。
パフォーマンスの終盤に彼が言っていた言葉にとても共感した私。
「大道芸はシルク・ド・ソレイユや劇団四季のようにチケットがありません。
でも大道芸を、これ一本で食べていける仕事にしたい。そういう大道芸人を増やしたい。
そう願って誇りを持ってやっています。」
続けて
「なのでぜひ、こういう形のお金を入れてください。笑」
と四角い形を胸の前で描いていました。
笑
笑えますが、事実でもあり、この場に立っている時間
死ぬほど練習してきた数々の大技、そこに費やした時間
ここまでの道のりを考えたらスッと四角いお金を投げ銭していました。
“投げ銭”という言葉からは つい小銭を想像してしまいますが
小銭の最高峰である500円よりも
お札の中の最安値でも1,000円にすれば一気に客単価は倍になります。
お見事です。
巧みな話術だけでは響きませんでしたが
ノールックで揃えたルビックキューブや、けん玉10個乗せ1発クリアなど
果てしのない努力が裏に見えた、クオリティの高い演技だったからこそというのと
彼の話法は常に相手(お客さん)の気持ちを考えたものであったということに
他の大道芸人さんとの圧倒的な違いを感じ、言葉がスッと入ってきました。
たとえば
「みなさんのリアクションが減ったの、なんでか知ってます。」
「・・・私がお金の話をしたからです。」笑
というような具合に。
相手の気持ちを考え、共感し、相手の心を掴む。
相手をその気にさせられるか否かはそこに尽きると思います。
あぁ面白かったな。
価値あるものを見せていただいたと心から思いました。