こんにちは、アプリコットデザインの中村です。会社のことで迷うと、つい正しいやり方を探してしまいます。採用は何をやればうまくいくのか。集客はどの方法が正しいのか。僕も悩むたびに本を読んだり、人に聞いたり、うまくいっている会社を調べたりしてきました。
なかでも安心するのが成功事例です。この方法で売上が三倍になりました。この採用のやり方で応募が増えました。誰かがすでに通った道なら、大きくは外さない気がしてしまいます。
成功事例には条件がついている
うまくいっている会社さんを、これまでたくさん見てきました。参考になることは、本当にたくさんあると思っています。ただどの事例にも条件がついています。
会社の規模が違う。社員も地域も商品も違う。社長の性格も、始めた時期も違う。同じことをやって同じ結果になるほうが、経営では珍しいのだと思います。あの会社でうまくいったことと、うちでも同じようになることのあいだには、ずいぶん開きがあります。
だから事例を読むときは、何をやったかより先に、どんな条件のもとで起きたのかを見ています。
何を成功と呼ぶかは会社で違う
そもそも、何を成功と呼ぶかが会社によって違います。
採用なら、応募がたくさん来るのが正解とは限りません。少人数でも自分たちに合う人が来るほうがいい、という会社もあります。成長を急ぐ会社もあれば、規模を追わずに利益と働きやすさを守りたい会社もある。自分たちが何を大切にするかで、答えのほうが変わります。
設備工事の会社で置き換えてみる
ここからは作例です。社員が三十人ほどの設備工事の会社が、同業から採用の話を聞いたとします。求人サイトの掲載を上のプランに変えたら、応募が四倍になった。すぐまねしたくなる話です。
先に条件を並べてみます。その会社は本社が県庁所在地の駅前にあって、採用の担当が専任で一人いる。応募が来た日のうちに電話をしている。募集していたのは、未経験でも入れる職種でした。
置き換える側は、事務所が郊外にあります。採用は総務の人が他の仕事と兼ねていて、募集しているのは経験者です。同じプランに変えても、届く応募の数も、そのあと返事が出る早さも、同じにはなりません。
ここまで並べると、まねする場所が移ります。プランより先に、応募が来た日のうちに返事が出る形をどう作るか。そちらが先になります。事例は、条件の並びとして読むといいのだと思います。
直せる大きさで決める
条件を読み替えても、やってみるまで分からないことは残ります。だから決め方のほうを変えます。
戻せる範囲で決める。全社に広げる前に、部署と期間を決めて回してみる。戻し方が先に見えていれば、決めることが重くなくなります。
あわせて、決めた日と結果を見た日、直したところを残しておきます。上がっていくのは直す速さのほうで、残した記録の数だけ積み上がります。同じ場面は二度と来ないので、当てる腕のほうは磨きようがありません。
条件を決めるのが会社の仕事
答えを出すところは、もう人だけの持ち場ではありません。条件がそろった問いなら、AIのほうがずっと早い。前提を書いて渡せば、僕が考えるより筋の通ったものが返ってきます。
会社に残るのは、その条件を決める仕事です。誰と働くのか。何を大切にするのか。どこまで大きくなりたいのか。会社ごとに前提が違うので、問いの立て方から変わります。
事例を探す時間を少し減らして、自分たちの条件を書き出す時間に回す。そのほうが、次の判断は早くなるのだと思います。
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