こんにちは、アプリコットデザインの中村です。今日は、目標の話をします。
五年後どうなっていたいですか。そう聞かれて、すぐ答えられる人がいます。会社をこのくらいの規模にしたい。こういう仕事をしてみたい。未来の姿を具体的に思い描ける人です。
一方で、同じ質問に困ってしまう人もいます。五年後なんて分からない。会社を大きくしたいわけでもない。売上目標を掲げても、いまいちワクワクしない。
以前は、そういう方を見ると、まだ目標が明確になっていないのかな、と思っていました。でも最近は違うように感じています。目標の持ち方には、大きく分けて二つあるのではないか。そう思うようになりました。
未来の景色から考える
ひとつめを、ビジョン型と呼んでみます。
この型の人は、未来の状態から考えます。十年後に百人の会社にしたい。海外で仕事をしたい。こんな暮らしがしたい。実現したい景色が先にあって、そこから逆算します。五年後はここ、三年後はここ、今年はここ。
一般的な目標設定は、たいていこちらの考え方に近いと思います。ゴールを決めて、逆算して、行動する。とても分かりやすい方法です。
どうありたいかから考える
もうひとつを、価値観型と呼んでみます。
この型の人は、どこへ行きたいかより、どうありたいかを大切にします。誠実に仕事をしたい。自分が納得できる仕事をしたい。目の前の人の役に立ちたい。家族との時間を大切にしたい。
価値観ははっきりあります。それなのに、十年後に何を達成したいですか、と聞かれると答えが出てこない。でもそれは、目標がないわけではありません。大切にしているものが違うだけです。
なぜ一億円なんだろう
たとえば、今年は売上一億円を目指そう、と言われたとします。
ビジョン型の人なら、よし、そのために何をしようか、と動き出せるかもしれません。
価値観型の人は、そもそもなぜ一億円なんだろう、と考えます。そこで止まってしまうと、一億円を達成すること自体には、あまり意味を感じられません。
ところが、こう並べ替えると変わります。もっといいサービスをお客様に届けたい。そのために仲間を増やしたい。仲間が安心して働ける会社にしたい。だから、そのためには一億円くらいの売上が要る。
ここまで来ると、数字に意味が生まれます。価値観型の人にとって数字は、ゴールというより、大切にしたいことを実現するための手段なのだと思います。
借りてきた目標は、人を縛る
世の中では、夢を持とう、十年後の理想を描こう、目標を明確にしよう、と言われることが多いと思います。それが合う人もいます。僕自身もそちらのタイプです。
ただ、全員がそうとは限りません。
価値観型の人に、無理やり壮大なビジョンを書かせると、どうなるか。業界ナンバーワン。全国展開。書いてはみたものの、本人がまったくワクワクしていない。
これでは、目標が人を動かすものではなく、人を縛るものになってしまいます。
二種類に、きれいには分けられない
もちろん、人をきれいに二種類に分けられるわけではありません。ビジョンも大事ですし、価値観も大事です。
こんな未来を作りたい、というビジョンがあって、なぜそれをやりたいのか、という価値観がある。この二つがつながっている状態が、いちばん強いと思います。
違うのは、入り口です。未来を描くことで動ける人もいれば、大切にしたいことを確認することで動ける人もいる。
だから、目標を決められない人に、もっと大きな夢を持たなきゃ、と言う必要はないのだと思っています。
目標が立たないときに、聞いてみること
もし、将来どうなりたいか分からない。目標を立てても続かない。数字の目標にワクワクしない。そういう方がいたら、質問を変えてみてください。
何をしているときが、いちばん心地いいだろう。どんな仕事なら誇れるだろう。誰の役に立ちたいだろう。どんな人でありたいだろう。何だけは大切にしたいだろう。
未来のゴールが見えなくても、自分の価値観は見えてくることがあります。そして、その価値観に沿って今日の選択を重ねていけば、振り返ったときに、自分はここに来たかったんだ、と思える場所にたどり着いているのかもしれません。
目標とは、未来の一点を決めることではなく、自分が大切にしたい方向を決めること。そういう考え方があってもいいのかな、と思っています。
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