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ホームページの見積書で比べられない項目

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Nakamura Hiroki クリエイティブディレクター / 代表取締役
Nakamura Hiroki

クリエイティブディレクター / 代表取締役。ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士。

ホームページの見積書で比べられない項目
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こんにちは、アプリコットデザインの中村です。会社のホームページを作り直すとき、何社かに声をかけて見積書と提案書を並べることがあると思います。金額はいくらか。公開はいつになるか。ページは何枚あるか。この辺りは、表にすれば横に並びます。高いほうと安いほうも、すぐわかる。

並べても比べられない項目が一つあります。公開したあと、誰が何を見てどこを直すのか。この項目は、どの見積書にも金額として出てこない。聞かないかぎり、誰が受け持つのかは決まらないままになります。

作る仕事より直す仕事のほうが長く続く

ホームページは、公開した日からお客様や応募する人が読み始めます。どのページがよく読まれたか、どんな言葉で問い合わせが来たか。それがわかってから直す仕事は、作る仕事よりも長く続きます。

その長いほうを誰が担うのかは、見積書を並べただけでは決まっていません。

相談先が分かれると話が片側にしか届かない

集客の相談と採用の相談は、たいてい別々に出ています。ホームページは制作会社に。求人は求人媒体の担当者に。写真はカメラマンさんに頼むこともある。一つ一つは得意な相手に任せているので、進め方としては自然だと思います。

困るのは、社長が話した内容が、片方にしか届かないときです。作り直しの打ち合わせでは、社長が2時間ほど話すこともあります。半年後に求人の担当者に会うと、その人は2時間を聞いていない。聞き直す時間がとれなければ、業界でよく使われている文が、そのまま求人票に入ります。

8人の造園会社で起きていたこと

以前、ご一緒した造園の会社があります。社員は8人ほど。おもに個人のお宅で、庭をつくっています。図面は社長が引き、石積みや木を植える作業は職人さんがやっている。

この会社には、やりたいことが二つありました。一つは、庭づくりの相談をホームページから増やすこと。もう一つは、若い職人を採ることです。

ご一緒した当時は、ホームページの相談先と求人媒体の担当者が分かれていました。打ち合わせで石積みが得意だと話しても、その内容は求人票まで行きません。担当者から未経験歓迎と書きますかと聞かれて、はいと答える。それで求人票は出る。応募も何件か来ました。

困ったのは、面接の場でした。庭づくりそのものに関心があるのかどうかが、話していてもわからない。会社のことを何で知りましたかと聞くと、求人の一覧で見ましたという答えがほとんどでした。

得意な仕事を二つに絞った

先に決めたのは、前に出す仕事です。8人でできる庭をぜんぶ並べるのをやめて、石積みと、もともとある木を残す庭の二つにしました。駐車場の工事も芝を張る仕事も受けていますが、ホームページの前のほうには置いていない。

施工事例を土を掘るところから並べた

施工事例の見せ方も変えました。完成した庭の写真を並べるだけだったのを、土を掘るところ、石を選ぶところ、積み終わったところの順に載せています。どの石をどこから運んで、どういう理由でその向きに置いたのか。社長が話した言葉のまま入れています。

一件を10枚ほどに分けたので、載せられる件数は前より減る。それでも一件を最後まで見せるほうを選びました。

同じ施工事例を、求人のページにも載せました。そのうえで、この庭をつくる人を探していますと書いています。写真も文章も集客のページと同じもので、撮り直しも書き直しもしていない。

月に一度30分だけ読む時間をとる

公開したあとに月に一度見ているものは二つです。よく見られているページの順番と、問い合わせフォームに書かれてくる本文。本文はそのまま印刷して、社長と事務の方の二人で読んでいます。かかる時間は30分ほど。忙しくて読めなかった月は、次の月に、二か月分をまとめて読んでいます。

一年続けて変わったこと

ここまでの直しを一年ほど続けて、相談の内容が変わりました。それまでは、庭をお願いしたいのですが予算はいくらぐらいですか、で始まる文が多かった。いまは、この石積みをやってほしい、と事例のページを見た人が書いてくる。

面接でも変わりました。応募してきた人が、載せた現場の名前を出して話すようになっています。

問い合わせの件数そのものは、そう大きく動いていません。変わったのは、誰から来るかと、何を書いてくるかだと思います。

頼む先を決める前に聞けること

ここまでの進め方は、公開したあとから始めても間に合うと思います。ただ頼む先を決める前に、聞けることが三つあります。どれも打ち合わせの席で、そのまま声に出せる長さです。

「誰のどんな場面に向けて作りますか」

トップと会社概要と施工事例と問い合わせで全部で15ページですと返ってきたら、読む人はまだ決まっていません。庭のやり直しを考えている50代のご夫婦が休みの日に見ると思います、という答えなら決まっています。

ページ数は、あとからでも数えられる。読む人のほうは、聞かないと出てきません。

「公開したあと何を見ていつ直しますか」

アクセス解析を入れておきます、という答えは、道具の名前です。月に一度、よく見られているページの順番と問い合わせの本文を一緒に読みます。そう返ってきたら、見るものと時期が入っている。

道具を入れることと、読む約束をすることは、別の作業だと思います。

「この写真と言葉を採用でも使いますか」

採用はどこかに頼まれていますか、と聞き返してくる相手なら、そこで話がつながる。求人は担当していません、で終わる相手なら、つなぐ人を自分の会社のなかに置くことになります。

そこを空けたまま進めると、半年後に同じ話をもう一度することになります。

全体を見る人を決めておく

この三つを聞くと、どこまでを誰が担うのかが、頼む前に見えてくると思います。

一社にまとめるのが正しいとは思っていません。何社かに分かれていてもいいし、社内の人が持っていてもいい。決めておきたいのは、全体を見る人が誰かということです。

見積書を並べたあとに、金額として出てこないその項目を誰が持つのかを、もう一度聞いておく。答えを並べて選ぶのは、聞いた側です。

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