UPDATE:2022.3.11
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【長野県立美術館】生誕100年 松澤宥展
先日迎えた2022年2月22日、2がたくさん並ぶ日と聞いて皆さんは何を思い浮かべましたか?にゃんにゃんにゃんで猫の日?
ニンニンニンで忍者の日?
どちらもSNSやTV番組で話題になっていましたよね。
ですがもう一つ、忘れてはならない記念日。
長野県を代表するコンセプチュアルアーティスト松澤宥(まつざわ ゆたか)・生誕100周年の日です。
松澤宥は1922年2月2日午前2時に長野県の下諏訪町に生まれ、
生誕日にちなんだ2という数字にこだわった作品などを多く残した現代アーティストです。
現代アートというと難解なイメージがありますが、その中でも特に難解を極めるコンセプチュアルアートの作家で
その活動や思想は草間彌生をはじめ多くのアーティストに刺激を与えたと言われています。
ちなみにコンセプチュアルアートとは作品そのものよりアイデア(コンセプト)に重きを置く前衛芸術で、
便器にサインを入れたものを作品と称し既製品と芸術の境界を世に問いかけたデュシャンや
スープ缶を並べた絵をもって無味乾燥な大衆文化を表現したウォーホルなどが有名です。
ちょっと文章で説明しても理解しにくいですよね。
ではとりあえず現在開催中の松澤宥展で撮影可能だった展示から二つご覧頂きましょう。
仏教の曼陀羅から着想を得たと思われる作品
人類への警鐘のようなフレーズが書かれた幟(のぼり)
……さすがは前衛芸術。一筋縄ではいきませんね。
幟の方は松澤宥先生ご本人が国内はもとより世界十数ヶ国、果ては氷河張り巡らされるスイスアルプスまで
直接出向いて掲げたという代表作です。その作品の意味するところはともかく、
松澤宥先生が人生をかけて挑んだ壮大なパフォーマンスアートであるということは
なんとなく感じ取れるのではないでしょうか。
なお、長野県立美術館の「生誕100年 松澤宥」展は2022年3月21日まで開催されています。
小難しい(私もキャプションを読んでも理解できないことが多々あります)と敬遠されがちの現代アートですが、
作品を世に送り出したときのアーティストの心情を想像したり
あるいはアーティスト自身の生き様に思いをはせたりするのも楽しみ方の一つです。
現代アートはちょっと……という方にも、作品そのものの意味はあまり深く考えず
気軽に眺めることで芸術の自由さを感じ取ってもらえたら、現代アートファンの私としても嬉しい限りです。
ご興味のある方は長野県立美術館へ是非足を運んでみて下さいね。
長野県立美術館
https://nagano.art.museum/
松澤宥 生誕100年記念サイト
https://matsuzawayutaka.jp/