こんにちは、アプリコットデザインの中村です。ここ何年か、飲み会にはほとんど行っていません。お酒がそれほど好きではないのもありますが、大きいのは時間のほうです。飲んでいるあいだだけでなく、そのあと酔っている時間が続きます。次の日のパフォーマンスまで入れると、僕にとってはけっこうな時間になりました。
飲み会が悪いと言いたいのではありません。好きな人もいますし、その席でしか出てこない話があるのも分かっています。ここで書きたいのは、その数え方のほうです。会社に来る誘いや頼まれごとも、同じように数えられると思っています。
当日の枠だけで見ていないか
展示会への出展、業界の集まり、取材の依頼、急ぎではない打ち合わせ。会社には、いろいろな声がかかります。受けるかどうかを決めるとき、たいていは当日の枠だけを見ているのかなと思います。二日間なら二日間、二時間なら二時間。予定表にも、そう入る。
じっさいにかかっている時間は、その枠より大きいことがほとんどだと思っています。前の支度があって、当日があって、終わったあとに元の仕事へ戻るまでの時間がある。
三つに分けて数える
受けるかどうかを決める前に、その予定を三つに分けて数えてみると、見え方が変わってきます。飲み会で僕がひっかかったのも、当日のあとに続いていた時間でした。
- 当日その場にいる時間。何人が、何時間いるか。
- 前の時間。何を出すかを決める打ち合わせ、資料や持ちものの用意、往復の移動、運び込みと運び出し。
- あとの時間。名刺やメモをまとめる、返信する、社内に共有する。そして、止まっていた仕事に手が戻るまでの時間。
三つ目が、いちばん抜けやすいところだと思っています。予定表には出てこないのに、人数のぶんだけかかっているはずです。
町工場で数えてみる
ここからは作例です。部品をつくっている十数人の町工場に、隣の市でひらかれる展示会に出てみないか、という声がかかったとします。会期は二日。当日は二人が立ちます。
当日その場にいる時間は、二人で二日ぶん。前の時間には、何を並べるかを決める打ち合わせと、パネルや配りものの用意が入ります。前日の運び込みと二日目の運び出し、それに往復の移動もここです。あとの時間は、いただいた名刺への返信と社内への共有、そして止めていた図面に手が戻るまでの時間になります。
二日の話だと思っていたものが、会社の時間としては、もっと大きくなる。ここまで数えたうえで、それでも出ると決めるなら、それは前に進む出展だと思います。答えは変わらないかもしれません。変わるのは、数えたうえで決めたかどうかです。
リフォーム会社で、毎月の異業種の集まりに誘われているとします。一回二時間の会でも、移動と、終わったあとの返信と、翌朝の遅れまで入れると、一年でまとまった時間になる。年に十二回のうち、何回に出るかを先に決めておくと、毎月その場で迷わずに済むのかなと思います。
断る理由は長くなくていい
数えたうえで、受けないと決めることもあります。断る理由をいくつも並べようとすると、なぜか後ろめたさのほうが出てきます。今回はやめておきます、声をかけてくださってありがとうございます。それくらいで足りるのかなと思っています。
誘う側には、誘う自由があります。誘われる側には、断る自由があります。
何でも引き受けていると、予定は埋まっていく。ひとつひとつは数時間でも、積み重なると、本当にやりたい仕事に使う時間がなくなっていきます。時間だけは増やせません。何かを始めることと同じくらい、何をやらないかを決めることも、会社の仕事なのだと思っています。
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