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ホームページは欲しい理由から書き始める

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Nakamura Hiroki クリエイティブディレクター / 代表取締役
Nakamura Hiroki

クリエイティブディレクター / 代表取締役。ブランドマネージャー1級/インターナルブランディング認定コンサルタント/WEBデザイン技能士/WEBマーケティング検定/ネットショップ実務士。

ホームページは欲しい理由から書き始める
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こんにちは、アプリコットデザインの中村です。今回は、ホームページや広告の文章を、欲しい理由と買っていい理由の二つに分けて見直す話です。自社の商品やサービスのページを持っている経営者の方、社内でその文章を書いている広報・マーケティング担当の方にも読んでほしい内容です。

人が買うまでに、理由は二つ要る

人が何かを買うときには、二つの理由がそろっています。

  • 欲しい理由:気持ちを動かすもの。こんな暮らしがしたい、こんな自分になりたい、こんな毎日になったらいい。
  • 買っていい理由:不安をなくすもの。この会社なら大丈夫、この金額には理由がある、この性能なら安心できる、この人たちになら任せられる。

車で考えると分かりやすいと思います。燃費、安全性能、荷物の積める量は、何台かの中から選ぶときの材料です。けれど、休みの日に家族で遠くへ出かけたい、という気持ちが先になければ、販売店に足を運ぶことはありません。人は説明を聞いて欲しくなるのではなく、欲しくなったあとに説明を探します。

ページや広告がうまく働いていないときは、どちらか片方が抜けていることがあります。

  • 説明ばかりのページ:高性能、安心、実績多数、他社との違い。間違いはないのに、欲しいという気持ちが生まれない。
  • 雰囲気ばかりのページ:写真もコピーも素敵で憧れる。でも、値段の理由も、会社の確かさも、任せて大丈夫かも分からない。

住宅会社のトップページを、頭から直していく

ここからは作例です。性能に力を入れている住宅会社のトップページが、こう始まっているとします。

  • 見出し:「高断熱・高気密。UA値0.46の家」
  • その下:耐震等級、長期保証の年数、構造、坪単価の目安

UA値は、家の中の熱が外へどれだけ逃げやすいかを表す数字で、小さいほど熱が逃げにくい家です。0.46は、たとえば東京23区や大阪市を含む6地域では、断熱等性能等級6の基準にあたります。住宅会社にとっては胸を張れる数字です。ただ、この数字を見て暮らしが浮かぶ人は、家づくりをかなり調べた人に限られます。

1. 書いてある文を、二つに仕分ける。ページの文をひとつずつ読んで、欲しい理由なら「欲」、買っていい理由なら「安」と印をつけます。このページは、上から下まで「安」でした。

2. 欲しい理由を、お客様の言葉から拾う。住んで一年ほどたったお客様に、住んでみて変わったことを聞いてみます。返ってきたのが、冬の朝に布団から出るのがつらくなくなった、だったとします。性能表には載っていない言葉ですが、これが欲しい理由です。

拾った言葉が見つからないときは、6つの欲求に当ててみると探しやすくなります。確実性、多様性、重要感、つながり、成長、貢献。冬の朝の話なら、毎朝が変わらず快適であるという確実性と、家族がリビングに集まる時間が増えるというつながりの二つが立ちそうです。欲求は全部に当てはめず、二つまでに絞ります。

3. 欲しい理由を先に置き、数字はその下で理由として使う。直したあとの並びは、こうなります。

  • 見出し:「冬の朝、布団から出るのが嫌じゃない家」
  • 次の一文:「リビングも廊下も、朝から同じ暖かさのまま過ごせるように建てています。」
  • その下に、なぜ暖かいのか:断熱材の厚さと窓の仕様、UA値0.46
  • さらに下に、買っていい理由:耐震等級、保証の年数、坪単価の目安、建てたお客様の声

性能はひとつも変えていません。数字も消していません。欲しくなった人が、この家なら大丈夫だと確かめるための材料として、場所を移しました。

4. 買っていい理由に、抜けがないかを見る。不安には、だいたい四つの種類があります。会社は大丈夫か。金額に理由はあるか。性能は確かか。担当する人に任せられるか。四つそれぞれに、答えている文がページのどこかにあるかを確かめます。

別の業種で当ててみる:税理士事務所

もうひとつ作例です。開業したばかりの人向けに顧問プランを出している税理士事務所があるとします。ページは「月額顧問料○円から」「記帳代行・決算申告・年末調整に対応」から始まっています。すべて「安」です。

欲しい理由を探すなら、顧問を頼んで一年たったお客様の、変わったことを聞きます。たとえば、月末に領収書の山を前にして週末をつぶさなくなった、という答え。見出しをその場面に置き、料金と対応範囲は、その下で「なぜそうなれるのか」と「いくらかかるのか」として並べます。

手元のページで試すなら

  1. いちばん見てほしいページをひとつ決め、文をひとつずつ「欲」と「安」に仕分ける。
  2. 「欲」がない、またはいちばん上に来ていなければ、最近のお客様三人に、使ってみて変わったことを聞く。答えは言い換えずに書き留める。
  3. その言葉をページのいちばん上に置き、性能や実績の数字は、その下へ理由として移す。
  4. 会社、金額、性能、担当する人の四つについて、不安に答える文があるかを確かめ、ないものを足す。

ちゃんと説明できているかを見直すときに、読んだ人が欲しくなる理由も書いてあるかを、あわせて見てみてください。性能は同じでも、伝わり方がかなり変わってきます。

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