こんにちは、アプリコットデザインの中村です。今日は、デザインが通らなかったときに、何が足りなかったのかをどう探すかの話です。
デザインを出して、思っていた以上に厳しい反応が返ってくることがあります。イメージと合わない。もう一回考え直してほしい。そう言われて落ち込んだ経験のあるデザイナーの方は、多いと思います。僕も今でも、こういう返事はこたえます。
そういう日に浮かぶのは、才能がないのかもしれない、まだまだデザイン力が足りない、という言葉です。それ自体が間違っているとは思いません。ただ、そこで考えるのをやめてしまうのは、もったいない。デザイン力が足りない、という言葉は、かなり曖昧だからです。
足りなかったものを6つに分ける
同じ「通らなかった」でも、原因はまったく違うことがあります。考えられるのは、たとえば次の6つです。
- 情報整理:何を先に見せて、何を削るかが決まっていなかった
- クライアントの意図の理解:言われたことを、言われた意味で受け取れていなかった
- ヒアリング:聞いた量が足りず、決めるための材料が少なかった
- ターゲットへの理解:誰が見るのかが、ぼんやりしたままだった
- マーケティングの視点:どう選ばれて、どう売れていくかまで考えていなかった
- 表現の技術:考えていたことを、形にしきれなかった
自分はデザインが下手なんだ、と落ち込んでも、次の行動にはなかなかつながりません。6つのうちどれだったのかが分かって、はじめて次にやることが決まります。
原因が具体なら直し方も具体になる
情報整理が甘かったと分かれば、情報整理の練習をすればいい。クライアントの意図をつかめていなかったなら、ヒアリングの仕方を見直す。ターゲットへの理解が浅かったなら、市場やお客様のことをもっと調べる。
残りの3つも同じです。ヒアリングが浅かったなら、次の打ち合わせの前に、聞くことを書き出して持っていく。マーケティングの視点が弱かったなら、同じ商品を扱う売り場や検索結果を並べて、どう選ばれているかを見る。表現の技術が足りなかったなら、手を動かす量を増やす。
原因が具体になると、直す方法も具体になります。
歯科医院の採用ページで分けてみる
たとえば、歯科医院の採用ページのデザインが「思っていたのと違う」と戻ってきたとします。出したのは、明るい色で写真を大きく使い、若いスタッフが笑っている構成でした。
話を聞き直すと、院長が来てほしかったのは、子育てがひと段落して復職を考えている歯科衛生士の方だった。
この場合、色や写真をいくら直しても通りません。6つに当てると、足りなかったのはターゲットへの理解と、クライアントの意図の理解です。さかのぼれば、最初の打ち合わせで「どんな人に来てほしいですか」を具体的に聞けていなかった。直すのは、そこです。
表現の技術の問題だと思い込んだまま色を変え続けると、同じ戻しが何度も続きます。
戻ってきた指摘を書き出して振り分ける
次にダメ出しを受けたら、戻ってきた指摘を一つずつ書き出して、6つのどれに当たるかを横に書いてみてください。一つの指摘に二つ当たることもあります。
何件か続けると、当たる場所に偏りが出てきます。いちばん多く当たったところが、次に練習するところです。
デザインには先に目的がある
分けて考えるときに、いつも確かめていることがあります。そのデザインの目的です。
ビジネスのデザインには、必ずその前に目的があります。問い合わせを増やすためのページなのか。商品を売るためのチラシなのか。会社の魅力を伝える会社案内なのか。応募を集めるための採用冊子なのか。通らなかったデザインは、その目的に対して、どこかの設計がうまくいかなかったということです。
僕はダメ出しをされたときほど、何がダメだったのかをできるだけ細かく分けています。次の一枚で何を変えるかは、そこからしか決まらないからです。
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