UPDATE:2017.2.14
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色弱とMUD
こんにちわー。地味にMUD検定3級を持ってるはしばです。まずMUDって何かという話ですが、特定非営利活動法人 メディア・ユニバーサル・デザイン協会(以下MUD協会)が老眼や白内障の中・高齢者や色覚障がいの方々などにもわかりやすい印刷物、Web、サインなどを、制作・発注できる知識・技術を習得することを目的とし、一定水準以上の知識・技術を身に付けたら認められる認定資格です。
色弱という言葉を聞いたことありませんか?
色弱とは正式には色覚異常(しきかくいじょう)といい、ヒトの色覚が正常色覚ではない事をいいます。
昔私の知人にも色弱の子がいました。緑色のみかん(あおいやつ)を一緒に食べようと誘ったら「よくそんな腐ったみかん食べようとするね」と言われたことがありました。緑が茶色に見えていたらしく、茶色いみかんを食べようとしているように見えたみたいです。
彼らの目から見渡す世界は、私たちが見る世界とは違います。
色弱の割合は日本人の場合男性の5%、女性の0.2%が色弱者だといわれています。つまり男性の場合だと20人に一人が色弱なのです。意外にも多く、そして身近に存在します。
(赤系と緑系が見えない2パターンが一般的に多いみたいです。青系が見えないのはめったにいないとのこと。しかし中には青系が見にくい人も珍しいですがいるみたいです。)
色弱を持っている人は一般の人と色の感じ方が違うため、色使いなどに配慮されていない情報伝達手段では、伝えたい情報が伝わらない場合があります。
MUDに特化したデザインを目指すなら、頭に入れておくべきポイントはざっくり以下の通りです。
1.緑が茶色に見えやすい
2.赤が茶色に見えやすい
3.薄いピンクと灰色の区別がつきにくい
4.薄いピンクと水色の区別がつきにくい
5.原色以外の色、例えば蛍光色などは一瞬色の判別に遅れがでる
ちょっとしたことを気をつけるだけでだいぶ違って見えます。例えば黒地に赤字は本来はインパクトがあり目立つはずの組み合わせですが、赤が見えにくい人によっては黒地に茶色い文字がのっかてるように見えて明暗の差があまりなくとても見づらくなります。赤が茶色に見えることを考慮した場合、そういった組み合わせは避けるべきです。緑と茶色の組み合わせもそうですね。茶色の背景に緑の文字は読みにくくなってしまいます。例にあげましたが例えば色弱の人でも見えるような「色の使い方」などに様々な配慮や工夫を加え、誰もが使いやすく、見やすいメディアを提供しているデザインがMUDです。色弱しかり高齢者や弱視を持っている方への文字の読みやすさの工夫もそうです。ちなみにモリサワのUD書体やイワタUDなどはMUD協会推奨製品として認定されていて白内障や弱視などの人でも読みやすいとされています。
思いやりのある優しいデザイン、誰もが見やすく情報を得やすい社会づくりに欠かせないのがMUDなのではないのでしょうか。自分だけのものさしで考えるのではなく、いろいろな人の視野や視線に立って考えることができるデザイナーになりたいと思った今日この頃でした!
以上です。